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2021/09/13

トナカイの角

| by 御宿中HP

御宿中理科室にある「トナカイの角」の由来が判明しました。

  
  

実はこのお話があるまで、存在すら確認していませんでした。申し訳ありません。先日御宿町須賀在住の伊藤秋雄様より教育委員会を通して「家の中を整理していたら昔の資料が出てきて、御宿中学校の校舎改修の時に寄贈したトナカイの角の説明資料になるからお話ししたい。」ということで,資料を持参してご来校いただきました。

 そこで説明のあったトナカイの角の由来についてできるだけ説明を承ったままをお知らせします。

トカナイの角の由来

 昭和38年頃(1963年頃)に遡ります。その頃伊藤秋雄さん(御宿町須賀にお住まい)は大洋漁業にお勤めでした。大洋漁業といえば50歳以上の方ならご存じかと思いますが、プロ野球セリーグに大洋ホエールズというチームがありました。大洋ホエールズは横浜大洋ホエールズとなり、今は横浜ベイスターズとして存続しています。そして大洋ホエールズのメインスポンサーである大洋漁業は、プロ野球チームの名前通り、ホエールズ=鯨、つまり捕鯨を中心とした遠洋漁業を主な仕事としており、鯨や大型の魚を追って世界中の海に捕鯨船団や大型の漁船団を派遣していました。その大洋漁業にお勤めだった伊藤さんの具体的なお仕事はタンカーに乗り、捕鯨船などに給油(船なので主に重油)することです。日本を出港して中東の産油国で燃料となる重油を積み、捕鯨船などの寄港地である、世界各地の港に停泊する船に重油を届けるということでした。

 今回のトナカイの角に関わる寄港地は、南アメリカ大陸の最南端であるアルゼンチンのホーン岬から東に1,500kmぐらい離れたサウス・ジョージア島(イギリス領)になります。そこで、日本の船限定でなく、他に捕鯨をしているノルウエーなどの北欧の国などにも給油を行います。海の動くガソリンスタンドですね。

 それがどのようにトナカイの角とつながるかというと、トナカイといえば、クリスマスの時にサンタクロースの乗るそりを引くのがトナカイ。そのとおり、元々トナカイは北欧に生息する動物です。捕鯨のための寄港地としてサウス・ジョージア島で人々が生活するのですが、一番近いアルゼンチンからも東京と北海道や東京と沖縄ほどの距離離れていますので、できるだけ食べ物は現地で調達しようと考えました。そのために北欧からトナカイが持ち込まれ、食用として育てられていたということです。サウス・ジョージア島は大西洋と南極海に面し、1年の半分以上の日が強風で、一年を通して寒く、とても厳しい気候だったということでした。 

 記念品として家にあったトナカイの角は、家に飾っておくよりも、学習に少しでも生かしてほしいということで、伊藤様のご厚意により,御宿中学校に寄贈されました。

 今回、トナカイの角に、この「トナカイの角の由来」をつけて展示しようと思います。今の御宿中学校の生徒が、この「トナカイの角の由来」に少しでも関心を持ち、何か自分から調べてみようと思うきっかけになったら嬉しいです。
(文責:校長 吉田誠)

                        
11:56
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